きょうから大学入試センター試験が始まり、受験の季節も本番を迎える。ここまで来て、体調を崩しては元も子もない。地域によっては雪で列車が遅れることもあろう。筆者も昔、受験日に雪に見舞われてぎりぎりで会場に滑り込んだ。
▼高校なども含め風邪や雪の心配が膨らむ時期に入試を行うのは春に新学年が始まるからだろう。1980年代、臨時教育審議会が学年の始まりを春から秋に移すべきか論じている。秋始まりが世界の大勢、夏休みを使いじっくり入試ができる、全学年が一斉に移れば財政負担はほぼないなどが推進論の根拠だった。
▼反対論の理由として、就職時期との整合性などと並び、国民感情の定着が上がった。入学といえば桜の季節という皆の思いは無視しえない、というわけだ。審議会は、意義もあり移行すべきだが期間をおき実施を、と提言。その後、秋にも入学できる学校は増えたが、基本は春始まりという状況は変わっていない。
▼明治には9月に始まる学校が多かったが、後に政府の会計年度に教育界が合わせたようだ。秋始まりの方が入試や海外交流に都合がいい。しかし作業は大変だし、習慣も変えたくないということか。事情はともかく、受験生には目の前の関門突破しかない。心に余裕を持ち、焦らず、培った実力を発揮してほしい。