HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 62324 Content-Type: text/html ETag: "391fbb-15ea-213f4fc0" Expires: Thu, 14 Jan 2010 23:21:10 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 14 Jan 2010 23:21:10 GMT Connection: close 稲盛日航CEO 労使一体の抜本改革で再生を : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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稲盛日航CEO 労使一体の抜本改革で再生を(1月15日付・読売社説)

 法的整理による再建を目指す日本航空の会長兼最高経営責任者(CEO)に、優良経営で知られる京セラの稲盛和夫名誉会長の起用が固まった。

 自ら創業した京セラを日本有数のハイテク企業に育てた手腕を買われ、政府の強い要請を受けての就任となる。

 日航にはすでに、多額の公的資金が投入され、今後の再建でもさらなる政府の支援が必要だ。

 かじ取りを担う稲盛氏の責任は重大である。今度こそ「親方日の丸」体質を一掃し、再建に道筋をつけてほしい。

 稲盛氏は社員の意識改革の重要性を説き、私財を投じて若手経営者の育成にも取り組んできた。稲盛氏の独特の経営手法が、日航の大企業病の是正に効果を上げるか注目されよう。

 日航が、安全運航を確保しつつ再建を果たすには、強い信念が欠かせない。稲盛氏のカリスマ性が、社員にその自覚を促すものと期待されている。

 稲盛氏は野党時代から民主党を支持しており、財界への太いパイプを持たない民主党政権には、数少ない「後見人」だ。鳩山首相にとって、日航再建を託せる唯一の人だったともいえる。

 それだけに、不安もある。77歳と高齢で、航空業界に精通しているわけではない。激務を避けるため、日航への出社は週3〜4日の「パートタイム」会長となる。

 経済界の本流を歩んできたとは言えず、今後、顧客のつなぎ留めなどで経済界からの幅広い支援を取り付けることができるか、懸念する声も出ている。

 日航は1985年に起きたジャンボ機墜落後の経営危機の際、当時、鐘紡会長だった伊藤淳二氏を迎えて立て直しを図った。だが、伊藤氏は労務問題の対応に失敗し、経営陣の内紛も招いて、1年余で退陣を余儀なくされた。

 今回、再建をすべて稲盛氏任せにしてしまうようでは、同じ(てつ)を踏みかねない。

 最も大切なのは、新しく経営陣入りする日航の幹部と社員が一丸となって、稲盛氏のもとで抜本改革に取り組むことだ。

 最大の懸案だった企業年金の削減問題では、現役とOBの3分の2超が減額に合意した。だが、次に待つのは従業員1万5700人を削減し、子会社も大幅に整理統合する厳しいリストラである。

 この際、経営改革を妨げてきた積年の労使問題も解決しなければならない。労組が八つある異常な状況は、早急に是正すべきだ。

2010年1月15日01時10分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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