HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 61840 Content-Type: text/html ETag: "21a89d-15f9-213f4fc0" Expires: Thu, 14 Jan 2010 22:21:05 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 14 Jan 2010 22:21:05 GMT Connection: close 海自給油終了 代替の人的貢献策を検討せよ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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海自給油終了 代替の人的貢献策を検討せよ(1月15日付・読売社説)

 国際社会の「テロとの戦い」は今後も息の長い取り組みが求められる。日本がこの共同行動にどう関与していくのか、真剣に考えるべきだ。

 8年余に及ぶインド洋での海上自衛隊の給油活動が終了する。政府が新テロ対策特別措置法を延長せず、特措法の期限が15日で切れるためだ。極めて遺憾である。

 給油活動は、2001年の米同時テロを受けて始まった。従来の国連平和維持活動(PKO)とは法的枠組みの異なる、新たな国際平和協力活動で、法律上も、部隊運用上もハードルは高かった。

 だが、一人の自衛隊員の犠牲者も出さず、国際的にも高い評価を受けた。日本の安全保障政策にとって大きな意義があった。

 日本と中東を結ぶ重要な海上交通路(シーレーン)の安全確保にも役立っていた。海自が現場でプレゼンス(存在)を示し、関係国と連携することで、国際テロに関する様々な情報も入手できた。

 年間経費も50億〜70億円に過ぎない。5年間で50億ドル(約4600億円)のアフガニスタンへの資金支援と比べて、はるかに費用対効果が高い。そう指摘する声が民主党内にもある。

 こうした多くの意味を持つ活動を、なぜ終結させるのか。説得力のある政府の説明はない。

 鳩山首相は「アフガン支援に役立っていない」「日本には他の貢献の仕方がある」と言う。だが、給油活動は、テロリストの移動や武器・麻薬輸送を監視する海上阻止活動の一環であり、そもそも直接のアフガン支援ではない。

 単に「憲法違反だ」といった民主党の野党時代の主張や公約との整合性のための活動終了なら、日本の国益を大いに害する。

 テロとの戦いは、日本の平和と安全に直結する。米同時テロでは日本人24人が亡くなった。今後、日本が標的となる恐れもある。

 米軍艦船への給油活動が日米同盟の強化につながったのは事実だが、本来は、日本自身のために、国際社会の一員としての責務を果たすのが目的だったはずだ。

 アフガンでは、困難な情勢が続く中、40か国以上の部隊が1500人超の犠牲に耐えつつ、治安維持や復興支援に従事している。日本も一定のリスクを共有し、ともに汗を流すことが大切だ。

 自分は安全な場所にいて資金援助するだけでは、感謝はされても尊敬はされない。鳩山政権は、給油活動の「単純な延長はしない」と言い続けてきた。具体的な代替策を検討しなければなるまい。

2010年1月15日01時10分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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