HTTP/1.1 200 OK Date: Tue, 12 Jan 2010 23:16:51 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:<心をひとつに立ち向かおう 風評・批判に惑わず>。昨年秋、…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2010年1月13日

 <心をひとつに立ち向かおう 風評・批判に惑わず>。昨年秋、日本航空の社内報にこんな大見出しが躍った。批判の矛先が向けられたのは、日航をモデルにした映画「沈まぬ太陽」だった▼社内の徹底的な報復人事や政治家や旧運輸官僚らへの生々しい贈賄工作の描写に「こんな不正があるわけがない」と猛反論していた。今から思うと、振り絞った最後の元気だったのだろうか▼「ナショナル・フラッグ・キャリア」の再建は、裁判所が管理する「法的整理」によって進められることになった。日本では「倒産」のイメージがあり、再生は容易な道のりではないだろう▼週明けの東京株式市場は即座に反応した。上場廃止になれば株は紙くずになるため、日航株に大量の売り注文が殺到。三十七円のストップ安のまま取引は終了し、発行済み株式の約四分の一の七億株を超える売り注文が残った▼映画の原作者の作家山崎豊子さんは、御巣鷹の尾根に墜落したジャンボ機で亡くなった乗客の遺族をはじめ、関係者に徹底した取材を重ねた。「巨大な組織、それも政治と結びついている航空会社の力は予想以上に大きくて強いのです」と自著『作家の使命 私の戦後』で取材の苦労を書いた▼国や自治体はどれだけ無駄な空港を全国に造ってきたのか。法的整理の中で、日航を食いつぶした政治の責任も明らかにしてほしい。

 

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