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1月6日付 よみうり寸評

 〈おほてらの まろきはしらの つきかげを つちにふみつつ ものをこそおもへ〉――唐招提寺金堂の左前方にある会津八一の歌碑◆金堂に並ぶ8本の円い列柱が月光に影を落としている。その影を踏みながら、懐古の思いにひたったという歌。八一の「南京新唱」にある「唐招提寺にて」と題した2首のうちの第1首◆年末年始の休暇に奈良を歩いてこの碑にめぐりあった。今年は平城京遷都から1300年、郷里の大先輩八一の学識、歌ごころには及びもないが、同じように円い柱の金堂の前で遠い平城の昔を思った◆「唐招提寺の円柱」という随筆で、八一は「私の持つ限りない愛着の根底を洗ってみるのに、それはもともと、遠い昔の遠い国、ギリシャの神殿にあるらしい」と書いている◆唐招提寺は創建から1250年を経た。金堂は平成の大修理を終え、昨年11月、落慶法要を営んだばかり。盧舎那仏(るしゃなぶつ)、千手観音、薬師如来の三尊と鑑真の(びょう)も拝んだ◆時には、悠久の時の流れに身を置いて、小さな自分を思うのもいい。

2010年1月6日13時57分  読売新聞)
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