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春秋(1/7)

 目配り、気配り、思いやり。プロ野球のキャッチャーにはこの心構えが欠かせないのだと、野村克也さんの語録にある。ピッチャーの気持ちをくみ、内野外野にまんべんなく目を注ぎ、チームをもり立てていく役割の重圧はいかほどか。

▼体調を崩して辞任が決まった藤井裕久財務相は東大野球部のキャッチャーで鳴らした人だ。監督も選手も思いつきやら理想論ばかりを口走るチームのなかで、目配り気配りを念じて苦心惨憺(さんたん)だったのかもしれない。予算案をなんとかまとめ上げたところで疲れ果ててしまったのだろう。喜寿を迎えた老捕手なのだ。

▼藤井さんのお疲れの原因はフロントとの確執にもある、との声が聞こえてくる。球団を手中にしたオーナーよろしく、チームにあれこれ口を出す小沢一郎幹事長だ。こちらへの目配り気配りを苦にして心労が重なったとすればずいぶん罪作りな話ではないか。ダウンする選手がほかに出てきたっておかしくはない。

▼財務相が病院のベッドに伏せっているころ、小沢さんは私邸に民主党議員ら166人を招いて意気軒高だった。わが世の春の権勢ではあるが周辺には検察の捜査の手も伸びているという。フロント批判を平然とやってのけたノムさんのような人は見あたらず、驕(おご)れるオーナーのもとで縮こまるチームはどこへ行く。

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