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人好き、話し好きで、いずれ喫茶店でもやりたいと思っている人はいないだろうか。現実の客商売は趣味でやれるほど甘くないが、経営がなんとかなるのなら、コーヒーをいれながらの政治談議も悪くない▼年明けとともに、鳩山首相のブログ「鳩cafe」がネット上に店開きした。初回には自ら撮った「元日の空」を載せている。同時に「つぶやき」を随時書き込むツイッターも始まり、きのうは「天気の良い朝には公邸の庭でウォーキングをすることにしました……観客は鳩一羽でした」とある▼ネットで発信し、国民との距離を縮めたいそうだ。だが、マスターの世間話と違って、どんな小声だろうが首相の発信は公の色を帯びる。これで本心は語れまい。無愛想な店主のごとく、面白くもない言葉が並ぶだけだろう▼側近と相談して発するつぶやきに、政治の近さを感じる国民がどれほどいようか。自民党の加藤紘一氏は「そんな暇があったら普天間をどうするか、じっと悩んで考えてほしい。日本中でツイッターを一番やっちゃいけないのが総理」と手厳しい▼首相がつぶやいている間に、体調が思わしくない藤井財務相が辞表を出した。予算づくりの激務が77歳の体に障ったか。閣外に別の首相がいるような現状に嫌気がさした、との説もある▼通常国会が迫る。いきなり論戦の矢面に立つのは、菅副総理とて楽な仕事ではなかろう。開かれた官邸もいいが、先にやるべきことが多すぎる。まずは政権内の主導権を握ることだ。気楽なカフェは「退職後」がふさわしい。