
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 63429 Content-Type: text/html ETag: "104012-1dc1-fd17bc00" Expires: Tue, 05 Jan 2010 22:21:10 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 05 Jan 2010 22:21:10 GMT Connection: close
![]() ポスト金融危機 試練が続く世界経済の再生(1月5日付・読売社説)「100年に1度」と言われた米国発の金融危機は、最悪期を脱し、世界経済は緩やかに持ち直しつつある。 しかし、2010年の世界景気が力強く回復し、上昇気流に乗っていくかどうかは不透明だ。世界経済の再生に向け、試練は続いている。 昨年は、米国、欧州、日本が、戦後初めて、そろってマイナス成長に落ち込んだ後、後半にかけてプラス成長に転じた。中国、インドなどの新興国の景気も減速したが、回復は速かった。 国際通貨基金(IMF)の予想では、今年は世界全体で実質3%程度の成長が見込まれる。日米欧が0%〜1%台の低成長にとどまるのに対し、2年連続で約9%の成長を達成する中国など、新興国が 世界不況を脱出できたのは、先進国と新興国による世界20か国・地域(G20)の金融サミットで連携し、大型の財政出動や超金融緩和策などの政策を総動員した成果といえよう。 その異例の政策を元に戻す「出口戦略」も課題だが、拙速な政策変更は、景気失速を招きかねない。逆にタイミングが遅れると、財政悪化などの副作用が生じる。各国・地域は難しい対応を迫られる年になろう。 ◆カギ握る米国経済再生◆ 世界経済の復活へ、今年もG20の連携は重要だが、まず、カギを握るのは米国経済の再生だ。 米国は戦後最長の景気後退を脱し、回復の途上にある。だが、失業率は10%台に上昇し、失業者は1500万人以上に達する。「雇用なき景気回復」は深刻だ。 商業用不動産の価格が下落して不良債権が増え、地域金融機関の経営 個人消費が冷え込み、景気回復の足を引っ張ると、日本など世界にも打撃を与える。 オバマ大統領は、雇用を増やした企業への減税などの追加景気策を打ち出した。雇用重視に軸足を移したのは適切な判断で、その効果に期待が高まっている。 米連邦準備制度理事会(FRB)も、景気下支えのため、08年暮れに導入したゼロ金利政策を当面継続する。一方、緊急措置として実施してきた量的緩和策の大部分を2月に打ち切る方針だ。 FRBは「出口戦略」を模索しているようだが、景気の二番底は避けねばならない。政府とFRBが連携を強め、米国経済をうまく 気がかりなのは、米国の急速な財政悪化だ。財政赤字は、09年度に過去最悪の1兆4000億ドル超(約130兆円)に達し、10年度も巨額赤字が見込まれる。 ◆基軸通貨ドルの行方◆ 景気対策として、大胆な財政出動はやむを得ない面があるが、財政赤字の急拡大で、基軸通貨・ドルへの信認が揺らぐと、世界の市場を混乱させてしまう。 為替市場では昨年末、ドルが一時、円やユーロなどに対し、全面安となった。「代替通貨」として金の価格が急騰し、原油や穀物の価格も上昇している。 米国の超低金利政策の長期化を背景に、低金利のドルを売って、高金利通貨などに投資する「ドルキャリー取引」がドル安を加速させている面もある。 しかし、ドルに代わる基軸通貨が見当たらないことも現実だ。 米国政府は、財政再建の道筋を明確にし、日欧当局などとも協調して、ドル相場の安定を図るべきだ。それは日本などにとっても有益である。 ギリシャの財政危機などがくすぶり、金融機関の経営不振が続くなど、欧州経済の足元もまだ不安定だ。米国と同様、欧州も慎重な出口戦略が求められよう。 世界的な金融危機の再発を防ぐには、金融機関に対する規制強化も重要だ。しかし、米国では、規制改革の具体化が難航している。課題を着実に克服していかねばならない。 ◆人民元切り上げが必要◆ 高成長が続く中国経済の存在感が増している。今年の名目国内総生産(GDP)の総額では、中国が日本を上回る“日中逆転”が濃厚だ。中国が米国に次ぐ「世界第2位の経済大国」に躍り出る。 懸案は人民元の切り上げだ。中国政府は08年秋のリーマン・ショック後、為替介入を実施し、対ドルの人民元相場を固定してきた。その結果、外貨準備は2兆ドル強に膨らんだ。過剰マネーが市中に 世界経済の不均衡を是正し、中国経済が輸出依存型から、内需主導型へ転換するには、人民元改革を避けて通れない。中国政府は人民元の上昇を容認し、バブルを沈静化させる必要があろう。 (2010年1月5日01時12分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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