HTTP/1.0 200 OK Server: Apache/2 Content-Length: 17844 Content-Type: text/html ETag: "e9c13-45b4-db6b8440" Cache-Control: max-age=2 Expires: Mon, 04 Jan 2010 23:21:08 GMT Date: Mon, 04 Jan 2010 23:21:06 GMT Connection: close asahi.com(朝日新聞社):天声人語
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天声人語

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2010年1月5日(火)付

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 初もうでの参拝者数は、神社仏閣の規模と格、周辺の人口で決まるようだ。大都市の有名どころに人が集まるゆえんだが、その数がまた、社寺の威勢の証しともなる。政治家も同じらしい▼1985年の元日、東京・目白台の田中角栄邸には夕刻までに約650人が訪れた。脳梗塞(こうそく)で倒れる2カ月前、闇将軍として迎えた最後の正月である。元日には200人分を届けていたと、近所のすし店主が後に語っている。目白もうでは、派閥で動いた古い政治を象徴する景色だった▼四半世紀を経て、同じ絵を見た。元日、都下深沢にある小沢一郎・民主党幹事長の私邸には、166人の国会議員が訪れたという。衆参の定数の23%が同じ門をくぐったことになる▼広い座敷で2度に分けて宴を催す盛況だった。「小沢神社」の威勢と周辺人口は、政界でも別格とみえる。それほどの人物が、年始参りの出欠で扱いを変えるとは思えないが、顔を出しておくのが無難と考えた議員は多かろう▼参院選を半年後に控え、小沢氏の剛腕と機略に頼る向きは多い。新人議員を引き連れた訪中もそうだが、「数は力」の理屈は旧田中派からの遺伝子かもしれない。数を増やしたうえで、民主党を純化された小沢軍団にする腹だろうか▼元日の各紙は氏の資金問題を大きく報じた。ご本人や議員たちが、「小沢もうで」にどんな御利益を念じているのかは知らない。厄よけにせよ必勝祈願にせよ、大政変後の新春らしからぬ旧態に戸惑いを覚える。頼みもしない料理が出てきた時の、あの違和感である。

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