HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 61513 Content-Type: text/html ETag: "add51-1593-3c1e34c0" Expires: Tue, 29 Dec 2009 23:21:09 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 29 Dec 2009 23:21:09 GMT Connection: close 首相インド訪問 新たな大国との関係強化を : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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首相インド訪問 新たな大国との関係強化を(12月29日付・読売社説)

 鳩山首相が、年末の慌ただしい時期に選んだ外国訪問先は、南アジアの大国インドだ。

 中国を追うように経済成長著しいインドは、中東と東アジアを結ぶ要路に位置する。経済連携や安全保障協力などを進め、日印関係を戦略的に強化していくべきだ。

 インドは年率8%の経済成長を続け、世界第2の人口を有する。先進国にとっては魅力的な経済市場だ。日本の進出企業も過去3年間で3倍に増えた。

 だが、日印間の貿易総額はいまだに低水準で、日中間と比べると約20分の1の規模だ。

 鳩山首相が首都ニューデリーに入る前に商都ムンバイを訪れ、経済界の代表らと会談したのも、日印経済関係をいっそう強化したいとの強い意欲の表れだろう。

 インドは社会基盤の整備が不十分で、それが投資拡大の阻害要因と言われる。ニューデリー・ムンバイ間の貨物鉄道建設など大型プロジェクトに対する経済援助を着実に実施することが重要だ。

 経済連携協定(EPA)の交渉も加速すべきだ。

 インド側は、後発医薬品の承認手続きの簡素化や関税撤廃品目の積み増しを求めている。厚生労働省や農林水産省は消極的だが、関係閣僚は、何を譲り、何を守るのか、官僚任せにせずに交渉方針を検討してもらいたい。

 韓国は今年夏、インドとのEPA署名にこぎつけた。韓国企業が先んじて有利な条件でインドに進出できるようになることも、十分意識すべきだろう。

 きょう行われる日印首脳会談では、外務、防衛両省の次官級による安全保障定期協議の新設で合意する予定だ。将来的には閣僚級への格上げも想定している。

 中東と東アジアを結ぶシーレーン(海上交通路)の安全確保は、エネルギーや食糧の多くを海外に依存する日本にとって、死活的に重要だ。海賊情報の共有や共同パトロールなど、具体的な協力方法を探ってほしい。

 インドは東アジア首脳会議を核とした地域協力でも重要なパートナーだ。

 一方、世界貿易機関(WTO)の新多角的貿易交渉や気候変動問題では、インドは中国とともに途上国側に立った言動を繰り返し、日本を含めた先進国と対立する場面が目立っている。

 インドが新しい大国にふさわしい建設的役割を果たすよう、日本としても粘り強く働きかけていく必要がある。

2009年12月29日01時16分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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