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中央競馬を締めくくる有馬記念は、2番人気のドリームジャーニーが制した。「夢」を追い「旅」を続けるのは人も同じ。苦闘の末にたどりついた師走の言葉から▼昨秋に前立腺がんと分かった写真家の荒木経惟(のぶよし)さん(69)。このほど出した作品集は「遺作 空2」。「タイトルと自分の写真が一番の薬になるね。撮り続けることが生きること。まだまだ、あたしはこんなもんじゃないと『生欲』がわいてきた。まわりが応援してくれるんだな。人間も空も」▼沖縄返還時に日米の密約はあった。元外務省アメリカ局長の吉野文六さん(91)が、東京地裁でそう証言した。会見では「大きな歴史には貢献できてはいないだろうが、真相を語ったつもりです」▼「どんな堅い仕事にも、漫才のボケとツッコミのような複眼の手法が役に立つ」。吉本興業から法政大学大学院客員教授に転じた木村政雄さんの助言だ。「本音を言ってみる、笑われるかもしれない提案をしてみる。空気の流れが変わり、思わぬ花が咲くこともある」▼大型店の攻勢を受ける町の電器屋さん。団結を訴える大阪のアトム電器社長、井坂泰博さんは、近隣の高齢者などにニーズはあると見る。「大きな魚は腹がつかえて入り込めない磯辺に、小さな魚のエサ場がある」▼バハマでのフリーダイビング(素潜り)世界選手権で107メートルの日本記録を作った篠宮龍三さん(33)。「地上の約12倍の水圧なのに、海に生かされている感覚があり、穏やかな気持ちになれた」。いらつく世の中、いっぺん丸ごと潜らせてみたい。