HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 60734 Content-Type: text/html ETag: "f18ae-1282-7091f0c0" Expires: Mon, 28 Dec 2009 21:21:13 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 28 Dec 2009 21:21:13 GMT Connection: close 12月29日付 編集手帳 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



現在位置は
です

本文です

12月29日付 編集手帳

 関東大震災のあと、歌人の窪田空穂(うつぼ)瓦礫(がれき)の山と化した東京の街をさまよい歩いた。そのときに出会った被災者だろう。悲痛な歌がある。〈(はり)の下になれる娘の火中(ほなか)より助け呼ぶこゑを(のち)も聞く親〉◆もしも、大地震で学校が倒壊したら――その記事に、背筋が寒くなった親御さんも多かろう。自治体が来年度に予定していた公立小学校など5000棟の耐震化工事のうち、2800棟が着工できないという。理由を聞けば、あきれるばかりである◆学校の耐震化は、国が最大3分の2を補助している。鳩山政権の掲げる「高校授業料の実質無償化」で約4000億円の予算が必要になり、耐震化工事の補助金にしわ寄せが来たという◆子供たちの生命の安全を二の次にして、裕福な家庭までも一律に支援する高校無償化にお金をまわす。民主党がマニフェスト(政権公約)に掲げたといっても、その神経が理解できない◆年が明ければまた、阪神・淡路大震災の「1・17」がめぐってくる。首相はじめ内閣の面々は慰霊の言葉を語るだろうか。防災の心組みを語るだろうか。語ったとしても、どうせおざなりだろう。

2009年12月29日01時31分  読売新聞)
現在位置は
です