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春秋(12/29)

 日本経団連の次期会長候補がなかなか決まらない。めぼしい人材が少ないためだろう。有為の人材がいないから、組織が衰退するのか、あるいはその逆なのか。今年自民党が政権の座から滑り落ちた背景にも、似たようなことがいえる。

▼第2代経団連会長に石坂泰三氏が選ばれた時はほかにも多彩な人物が下馬評にあがった。小林中氏、菅礼之助氏などの経済界の実力者だ。石坂会長が在任した1956年からの12年は高度経済成長期に当たる。外国資本を恐れる経営者を叱咤(しった)して資本自由化を推進するなどリーダーにふさわしい見識を備えていた。

▼また鳩山由紀夫首相の祖父の鳩山一郎首相に退陣を勧告したことでも知られる。健康不安を抱える首相では政治が安定しないという判断だったようだが、よほど腹が据わっていないとできない。石坂氏は29歳の時、旧逓信省から第一生命に転じた。当時の矢野恒太社長のスカウトによる入社で社長秘書役になった。

▼ところが社長の代わりに手紙一本書いたことも電話に出たことも無い。「これで秘書役がつとまった(?)から不思議」と著書にある。創業者の矢野氏は石坂氏を後継者に育てて社長を譲った。小役人タイプのトップでは、大きな人物は使えない。最近気になる人材枯渇は上に立つ者の小粒化が一因といえそうだ。

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