HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Fri, 25 Dec 2009 20:16:03 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:いろんなものの値が下がることに、もう驚きはない。何しろ政府…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2009年12月25日

 いろんなものの値が下がることに、もう驚きはない。何しろ政府がデフレ宣言した今年の日本だ。これも、その掉尾(とうび)を飾る“値下げ”話か▼安くなるのはジーンズや弁当ではなく住民税。名古屋市議会が今週、来年度から市民税を10%減税する条例案を可決した。今春当選した河村たかし市長の目玉公約である▼法人市民税も含めた恒久的減税としては全国初。一律10%では、納税額の多寡で減税額に差が出て「金持ち・企業優遇」の批判は根強い。だが市長にとっては、むしろ、そうでないと意味がないらしい▼狙いは自身の名古屋弁を借りれば「住んでちょー、名古屋」。端的に言えば♪こっちの税は安いよぉ、と裕福な人や企業を誘致する腹づもりなのである。たかが10%というなかれ。同市でいえば最高納税額は個人で年二億円、法人で二十四億円以上。その10%だから…▼よそからの移転を考えるお金持ちや会社が出てきても、確かにおかしくはない。だが、そうなれば、と心配性が頭をもたげる。「うちは15%引き」「こっちは20%」と自治体までが市場原理に投げ込まれ、企業並みの値引き合戦にならないか▼無駄遣いの追放といっても限界はある。減税で行政サービスの水準が低下すれば、魅力も低下、また減税でアピールし…となれば“減税スパイラル”だ。大体、競争する体力のない自治体はどうなる?

 

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