HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Wed, 23 Dec 2009 02:17:08 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:「長短」という古典落語がある。せっかちな短七と万事のんびり…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2009年12月23日

 「長短」という古典落語がある。せっかちな短七と万事のんびりした長さんは性格は正反対だが仲がいい。この二人のかみ合わない会話の妙味が聞かせどころだ▼よくいわれるように、長所と短所は裏返しの関係にある。せっかちで怒りっぽい人は、見方を変えると自分の気持ちに正直で裏表がないといえるだろう。気長な人は我慢強い半面、優柔不断なところがあるかもしれない▼政治のリーダーにどんな性格の人が向いているかは、意見が分かれるところだ。鳩山由紀夫首相は、他人の意見にも謙虚に耳を傾ける誠実な人柄のようだが、そうした美点は決断力がないということと隣り合わせにある▼内閣の発足からあすで百日。各種の世論調査では、内閣支持率は急落している。あれだけ圧倒的だった支持率に陰りが見えた最大の原因は、首相の指導力に対する不満だ▼毎月千五百万円の「子ども手当」も不信を増幅させた。母親から、六年間で十億八千万円もの振り込みを資金管理団体に受けながら、首相が本当に知らなかったなら、あまりに浮世離れしている▼二〇一〇年度の税制改革や予算編成をめぐる議論の中、小沢一郎幹事長の前で首相の存在はかすんでしまった。「マニフェストに沿えないことは率直におわびする」とわびたのは首相らしいが、いま求められるのは謙虚さよりも、決断力と粘り強い実行力だ。

 

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