HTTP/1.1 200 OK Date: Tue, 22 Dec 2009 20:16:04 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:寒さに震えながら、空を見上げていると、流れ星がつーっと糸を…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2009年12月22日

 寒さに震えながら、空を見上げていると、流れ星がつーっと糸を引くように消えていった。ふたご座流星群の出現がピークを迎えた十四日の深夜。街灯が数多く設置され、闇が少ない都内からも、その神秘的な光跡がはっきりと見えた▼月が欠ける新月の直前で、月明かりの影響を受けなかったことも幸いした。願いを掛ける間もなかったが、無限大に広がる宇宙の中、この星に生を受けた意味に思いをめぐらせた▼きょうは、昼の時間が最も短い冬至。太陽の高度は一番低く影は長く伸びる。厳しい寒さが本格化する季節でもあるが、この日を境にまた少しずつ日が長くなっていく。不思議な自然の営みである▼太古から、人類は規則正しい天体の動きを見つめ、そこから普遍的な法則を学んできた。綿々と培われた科学技術は、人を宇宙に長期滞在させるところまで到達させた▼きのうロシアの宇宙船ソユーズで基地をたった野口聡一さん(44)は、船長に飛行状況を伝え、操縦を補佐する重要な役割を担う。国際宇宙ステーションでは約五カ月間、ロボットアームなどを使った実験をする▼哲学者のカントは、私たちの心を感嘆と畏敬(いけい)で満たすのは、「私の上なる星をちりばめた空と私のうちなる道徳的法則」(『実践理性批判』)と書いた。十八世紀から科学は大きく進歩したが、心はどれだけ豊かになっただろうか。

 

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