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12月19日付 よみうり寸評

 「自殺は痛い思いをするだけ。それほど苦しまずに確実に死ぬ手段として、多くの人を殺して死刑になろうと考えた」。そう言ってはばからない被告に極刑が言い渡された◆茨城県土浦市で昨年3月、2人が殺害され、7人が重軽傷を負った事件の水戸地裁判決。身勝手な動機や犯行の残虐さからすれば当然だが、「望み通りの死刑にしてやるのは憎らしい」と受け止める遺族もいる◆被告は取材に対し、判決が確定しても早く執行されなければ訴訟を起こす意向を示した。似たような話は以前もあった◆大阪教育大付属池田小学校で児童8人を刺殺した元死刑囚だ。弁護人に出した手紙に、「6か月以内に執行しないなら、法相を訴える」と書いていた◆「一人の生命は、全地球よりも重い。死刑は、まさにあらゆる刑罰のうちで最も冷厳な刑罰である」。死刑は残虐な刑罰を禁じた憲法に違反しないと判断した、戦後間もなくの最高裁判決の一節だ◆死刑願望の(やから)には、厳粛な刑罰が逆手に取られているようで、やるせない。

2009年12月19日16時34分  読売新聞)
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