HTTP/1.0 200 OK Age: 205 Accept-Ranges: bytes Date: Mon, 21 Dec 2009 03:18:08 GMT Content-Length: 7625 Content-Type: text/html Connection: keep-alive Proxy-Connection: keep-alive Server: Zeus/4.3 Last-Modified: Sun, 20 Dec 2009 14:22:40 GMT NIKKEI NET(日経ネット):社説・春秋−日本経済新聞の社説、1面コラムの春秋

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春秋(12/21)

 「ジョージアで一休み」。そんな宣伝文句の缶コーヒーのCMがテレビに流れたのは、1990年代半ば。これをきっかけに売り上げは大きく伸びた。商品名入りの景品のプレゼントに4400万通も応募が集まり、宣伝作戦は当たった。

▼発売元の日本コカ・コーラ会長、魚谷雅彦氏が近著で成功の理由を挙げている。米国本社の意向と違って、ホワイトカラーの需要も狙ったこと。20代社員の提案を受け入れて、自分が名前を知らなかった飯島直子さんをCMキャラクターに起用したこと。そして「時代の空気」を的確にとらえたことだったという。

▼当時はバブル崩壊の後だ。リストラが進み、賃金もカットされる。何も悪いことはしていないのに、なぜリストラや賃下げに遭わなければならないのか。多くの人がそう思う中、「頑張れ日本のサラリーマン」などと呼びかけてもむなしい。皆コーヒーを手に一息つきたいのでは。この読みが当たったと振り返る。

▼今年、別の缶コーヒーメーカーが、女性社員の笑顔に同僚の男性らがホッとするというCMを放映し、売り上げを伸ばしている。女優の小雪さんを起用し、やすらぎを前面に出したウイスキーのCMもハイボール人気を復活させた。十数年前と同様、先行きへの不安から人々がやすらぎを求めている表れだろうか。

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