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12月20日付 編集手帳

 〈熊手は(しょう)新幹線で帰るから〉。先日の読売俳壇の秀作だ。売手「負けとくから大きいのにしたらどうです」、買手「いや小さいのでいいわ。新幹線で帰るんで大きいのは目立ってね」。選者の矢島渚男さんが選評で、そんな(とり)の市の会話を想像していた◆句の作者は大阪にお住まいだが、JR東日本がきょう20日まで発売中の「ふるさと行きの乗車券」が売れている、とのニュースが思い浮かんだ◆年末年始、東京から東北方面などへの往復料金がお得になっていて好評らしい。ところがJRはほくほく顔ではない。それでも新幹線指定席の予約が、昨年より1割以上も落ち込んでいるのだとか。曜日の並びが悪いこともあるけれど、やはり高速料金1000円の影響が大きい◆鳩山政権が高速道路の無料化を推し進めれば、〈熊手は(だい)高速道路で帰るから〉となっていくのだろう。酉の市の繁盛は結構ながら、JR各社は帰省割引を拡大して対抗せざるを得まい。デフレに拍車がかかる◆鳩山さんの政策は、この件でも今ひとつはっきりしない。さて来年の末、故郷に買って帰る熊手は大小どちらが売れるのやら。

2009年12月20日01時07分  読売新聞)
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