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12月18日付 よみうり寸評

 〈秋霜烈日〉――刑罰や節操の厳しく、おごそかなこと。秋に降りる霜と夏の激しい日差しを並べて、厳しさのたとえとした◆検事のバッジは、赤い旭日(きょくじつ)の周囲に白い菊の花弁、金色の菊の葉を配したデザインだ。これを霜と日差しに見立て、厳正な検事の職務と重ね合わせて〈秋霜烈日のバッジ〉ともいわれる◆最高裁が再審開始を決定した「布川事件」には、その秋霜烈日のバッジが泣くような捜査と公判の経過があった。その厳しさが犯罪者をつくることにばかり向けられ、事件の真実追求に向いていなかったといわれても仕方がない◆これまでの冤罪(えんざい)事件同様、またも自白偏重の捜査だった。加えて、今回の布川事件では証拠の開示をしなかった検察の対応に大きな問題がある◆新たな目撃証言など再審開始の決め手となった証拠の多くが今回の再審請求で検察が初めて出したもの。当初の裁判で検察が不利になりそうな証拠を出さないままの有罪では真昼の暗黒ではないか◆何よりも事実の追求に秋霜烈日であるべし。

2009年12月18日15時35分  読売新聞)
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