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春秋(12/19)

 政治資金規正法違反の罪で小沢一郎民主党幹事長の秘書の初公判が開かれたが、これで小沢氏の政権内での威光が弱まることはなさそうだ。多数の国会議員を配下に従えて、時に強面(こわもて)を発揮する。威圧感に鳩山由紀夫首相もかしこまる。

▼あの人に逆らうと怖いと思わせるのは、強いリーダーシップを支える一つの要素でもある。政治の世界だけでなく企業も同様だ。ワンマン経営者で知られた旧日本楽器製造(現ヤマハ)の川上源一社長は典型的だった。自ら選んだ後継者を気にくわなくなると社長の座から追い払うなど、剛腕ぶりは際立っていた。

▼川上氏は社長に復帰した後、オーナーでもないのに息子の浩氏に社長を譲る。会長になった川上氏に会うと「コンサルタントから、私の考えに反する社員がまだいるという報告があった」と怒っていた。経営改革に利用すべきコンサルタントを社員の“思想調査”にも使って、批判分子はポストから容赦なく外した。

▼息子の浩氏は経営者に向いていなかった。業績不振に陥り社長辞任に追い込まれた。川上源一氏はヤマハやヤマハ発動機を急成長させた功労者だが、長すぎた権力の座が独善的性格を強めたのだろう。小人物も権力におぼれると独裁者になる。恫喝(どうかつ)による支配には、いつかは付けが回ると歴史は教えているのだが。

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