HTTP/1.1 200 OK Date: Fri, 18 Dec 2009 03:17:09 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:最近、新聞にはCOP(コップ)という言葉が頻繁に登場する。…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2009年12月18日

 最近、新聞にはCOP(コップ)という言葉が頻繁に登場する。何となれば、COP15が今まさにコペンハーゲンで開催中であり、かつCOP10が来年、わが国で初めて、名古屋で開催されるからである▼少しまぎらわしいが、前者は地球温暖化防止を目指す「気候変動枠組み条約」の、後者は生き物の絶滅などを防ごうという「生物多様性条約」の、それぞれ締約国会議。そういうわけで、この二つ、同じCOPでも別のCOPである▼しかし、まるっきり別かというとそうでもない。両条約の源流は、ともに一九九二年の「地球サミット」にあり「双子の条約」とも呼ばれる。さらに、いわば川上と川下の関係にもあるらしい▼気候変動の専門家によれば、温暖化で今、一番被害を受けているのは「魚類の産卵場所である湿地やサンゴ礁」という。生物多様性条約のジョグラフ事務局長は、はっきり「生態系の破壊は温暖化の影響が最も大きい」と▼つまりは原因と結果。だが、そのまた原因は、となればやはり人間様の活動に行き着く。思い出すのは、谷川俊太郎さんの『因果』という詩の一節。<…原因は人間とともに繁殖し/…原因はボタ山のように積みかさなり/…或る日突然(のように)崩れおちる!…>▼“双子のCOP”の議論は、だから人類全体の問題。いくらもめても「コップの中の嵐」などと言ってはいけない。

 

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