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春秋(12/17)

 演出者が中央省庁の役人、主演・族議員、観客・全国の首長と地方議員。かつてこの時期になると、こんな芝居が連日開かれていた。道路や治山治水、下水道などの予算獲得に向けて気勢をあげる陳情大会だ。会場はいつも満員だった。

▼舞台と観客の一体感は迫力があった。少々腹立たしい芝居だった。会場代から観客の旅費まで経費の出所の大半は税金だからだ。首尾よく補助金をもらった自治体は一部を主催団体に戻し、それが団体に天下りした役人の給料に消えた。「上納金」を払って東京に「参勤交代」する市町村長の姿はもの悲しかった。

▼この予算編成の風物詩のひとコマの様子が今年は大きく変わった。公共事業予算に切り込む国土交通相の前原さんが、職員の大会への参加を禁じたためだ。大会の数もかなり減った。省庁の応援が目的の芝居から国会議員と並ぶ役者の姿が一斉に消えたのだから、何のために開いているのか皆目わからなくなった。

▼民主党は陳情を党本部の幹事長室でまとめる方式に変えた。「小沢幹事長は政府の決めるべきことに口出ししすぎだ」「地域の実情が伝わらない」と批判の声があがる。一理あるが、そもそもつまらぬ芝居に税金を使うことがおかしかった。一番困っているのは、役人への口利きという演目を失った族議員だろうか。

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