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社説2 企業の活力引き出す政策を(12/16)

 日本企業の経営の先行きはなお深い霧につつまれている。日銀による12月分の企業短期経済観測調査(短観)は、そんな姿を改めて浮き彫りにした。企業が前向きの活動に出られる政策が求められている。

 短観の業況判断で、大企業・製造業は「悪い」との回答が「良い」より24ポイント多かった。「悪い」が「良い」を上回る幅は前回9月より9ポイント小さくなったが、なお水面下だ。

 しかも2010年3月にかけて改善のテンポは鈍りそうだ。円高やデフレが重圧になる。だから企業は設備投資を一段と絞り、大企業製造業ベースで今年度は前年度を3割近く下回る。減り具合は過去最大だ。

 なかでも自動車と電機はそれぞれ設備投資を4割強も減らす。経営立て直しのリストラは避けられないにせよ、すそ野の広いこれらの産業が投資を絞ると、関連産業や雇用への影響は大きい。要警戒だ。

 政府は緊急経済対策で雇用調整助成金の条件を緩めることにし、中小企業向け融資保証も厚くした。日銀短観をみても中小企業の業況感はひときわ厳しく、迅速な政策対応は不可欠だ。総額7兆2000億円の対策を柱とした09年度の第2次補正予算の成立を急ぐ必要がある。

 当面の景気下支え策に加えて、経済を自律的な回復軌道に乗せるには雇用吸収力がある大企業の活力を回復する政策が欠かせない。税制面などの後押しが必要だ。

 他のアジア諸国と比べても割高になった法人税率の引き下げは重要な課題になる。放っておけば、企業が伸び盛りのアジアに走り、産業の空洞化が進みかねないからだ。

 中長期の成長の見取り図も欠かせない。政府は10年度の予算編成の基本方針を決め、子育て、雇用、環境、科学・技術を重点分野とした。

 環境分野では、太陽光発電などの政府買い取りを通じて新エネルギー技術を後押しし、新興国への技術の売り込みを支援することで、企業のやる気を引き出すことが大切だ。国際競争にさらされる企業の研究・開発を促す工夫も求められる。

 多くの経営者は鳩山政権に大局的な経済政策が欠けているとの不満を抱く。そうした声を意識し、企業を元気にする政策を打ち出すべきだ。

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