HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 60255 Content-Type: text/html ETag: "ad974-15bf-3b176940" Expires: Tue, 15 Dec 2009 02:21:11 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 15 Dec 2009 02:21:11 GMT Connection: close 日米航空自由化 「空」も大競争時代を迎えた : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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日米航空自由化 「空」も大競争時代を迎えた(12月15日付・読売社説)

 太平洋路線が開設されてから半世紀を経て、日米間の空の完全自由化がようやく実現する。

 日米両政府が、航空自由化(オープンスカイ)協定の締結で合意した。正式に協定が結ばれる来秋には、両国のすべての航空会社が日米間の路線や便数を自由に設定できるようになる。

 欧米や韓国は、自国に人やモノを呼び込むため、互いに航空自由化協定を結び、空の自由化を進めている。だが、日本がこれまで自由化協定を結んだのはアジアなど8か国・地域にすぎない。

 これ以上後れをとれば、日本は世界の主要航空網から外されかねない。国土交通省は自由化協定を航空業界の活性化や利用者の利便性向上につなげるとともに、航空行政の転換を急ぎ、業界内の競争激化に備えるべきだ。

 自由化によって路線や便数を増やすには、空港にそれを受け入れる余力がなければならない。日本の航空自由化が遅れたのは、乗り入れ希望が多い首都圏空港の発着枠が恒常的に満杯だったことが大きく影響している。

 今回の日米合意は、成田、羽田両空港で滑走路が延伸・増設され、来年に国際線の発着枠が成田で年2万回、羽田で年3万回増えることを受けて実現した。

 だが、この程度の発着枠の増加はすぐ使い切ってしまう。自由化の実をあげるため、さらに発着枠を増やす努力が欠かせない。

 同時に、羽田の国際拠点(ハブ)化も進めることが重要だ。

 今回の日米協議では、深夜・早朝に羽田を発着する米国便を1日8便新設することが決まったが、前原国土交通相は2011年以降、昼間にも羽田に欧米便を就航させる考えを示している。

 路線設定の自由化によって、航空会社は羽田の米国便を増やす代わりに、他の国際空港の米国便を減らすことも考えられる。成田、関西、中部の国際空港は、着陸料の引き下げなどの経営努力が、さらに必要になろう。

 自由化によって、日米の航空会社が共同で運賃や座席管理などを進めても独占禁止法の適用除外となる可能性が高まる。日米航空業界の再編が加速しそうだ。

 経営再建中の日本航空は、米デルタ、アメリカン航空のどちらと提携するのか。両社は異なる航空連合に属し、提携の行方は航空業界の勢力図を大きく変える。

 日航は運賃や乗り継ぎの利便性など、利用者の視点も忘れずに、提携相手を決めてほしい。

2009年12月15日00時50分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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