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春秋(12/12)

 オバマ米大統領が受け取るノーベル平和賞の賞金は、円換算で約1億2千万円にのぼる。大統領はこの巨額の臨時収入を慈善団体に寄付するつもりだが、さて税金の扱いは――。納税額をめぐる議論が、早くも米国内でにぎわっている。

▼オバマ大統領夫妻の昨年の所得は、約2億3千万円だった。ほとんどが著書の売り上げによる収入である。賞金で所得が跳ね上がるから、所得税が増えるかというと、必ずしもそうではないらしい。ノーベル賞の賞金は非課税で寄付できると、はっきりと税法に書いてある。さすがは受賞者が多い国というべきか。

▼この免税条項の恩典をオバマ大統領は使うのだろうか。国を代表する公人なのだから、所得額をきちんと申告して納税すべきだ。いや個人の懐に入れず公に献じるのだから、計算上の所得を増やすことはない……。現職大統領の受賞は、税務当局も想定外。税の専門家に法律家、政治学者が加わり百家争鳴である。

▼ノーベル財団は来年から賞金の減額を考えているそうだ。金融危機で資産の運用成績が思わしくないらしい。金額が減れば、受賞者の悩みも少しは軽くなるだろうか。個人として税と向き合う態度に、その人の社会観が映る。「立派」と呼ばれたいと願うのが人の常。政治指導者なら、その思いはなおさらだろう。

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