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国債50兆円超え 財政赤字はもう放置できぬ(12月9日付・読売社説)

 財政赤字は、危機的な段階に入りつつある。鳩山内閣はその厳しさをしっかりと受け止め、来年度予算案の編成に取り組まねばなるまい。

 藤井財務相が明らかにした数字は、予想されていたとはいえ衝撃的だった。今年度の税収が当初予算の見積もりである46・1兆円を9・2兆円下回り、36・9兆円にとどまるという。

 世界同時不況による景気の低迷が企業業績を直撃し、法人税収が著しく落ち込むためである。加えて、ボーナスの減少などで所得税も大幅に減る。

 この影響で、今年度の国債発行額は、第1次補正後の44・1兆円から9・3兆円も増え、53・5兆円に膨らむ見通しになった。

 これまでは、相次ぐ銀行の破綻(はたん)など国内の金融危機への対応で、小渕内閣が国債を大増発した1999年度の37・5兆円が最大だった。今年度はそれを実に16兆円も超える水準となる。

 国債の発行額が税収を上回るのは、終戦直後の混乱期である46年度以来のことだ。昭和戦争のさなかでも、税収は国債発行額より多く、今の財政状態は戦時中より悪いということになる。

 問題は、来年度も税収の回復が期待できそうにないことだ。

 景気は底を打ったが、輸出と政府の景気対策にかろうじて支えられている状態だ。年明け以降は、二番底の懸念が出ている。

 このため、法人税、所得税とも税収は今年度程度か、それ以下になる可能性もある。

 この状況を前提にすれば、鳩山内閣が来年度の予算編成で取るべき手法は明らかだ。

 まず、民主党が政権公約に掲げ、各府省が概算要求に盛り込んだ施策の見直しである。

 子ども手当支給に2・3兆円、高速道路の一部無料化に6000億円などだ。こうしたバラマキに近い施策は、取りやめるか大幅に縮減すべきだろう。そうしなければ、95兆円に膨らんだ概算要求の大幅削減は不可能である。

 次いで税収の確保だ。国と地方で2・5兆円の財源を失うガソリン税などの暫定税率の廃止は、撤回する必要があろう。

 中長期的には、消費税に着目せざるを得ない。増え続ける社会保障費を賄い、財政再建にもつながる安定した財源を確保するには、消費税率の引き上げしかないのははっきりしている。

 鳩山内閣は、景気回復後直ちに消費税率を引き上げられるよう、今から議論を始めるべきだ。

2009年12月9日01時33分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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