HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 58816 Content-Type: text/html ETag: "ad5dd-15c7-3555bd40" Expires: Mon, 07 Dec 2009 22:21:09 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 07 Dec 2009 22:21:09 GMT Connection: close 遼君賞金王 さらに高く羽ばたいてほしい : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



現在位置は
です

本文です

遼君賞金王 さらに高く羽ばたいてほしい(12月8日付・読売社説)

 男子ゴルフで、18歳の石川遼選手が史上最年少の賞金王に輝いた。プロ入りして2シーズン目の快挙だ。目覚ましい成長に拍手を送りたい。

 賞金王のタイトルは、名実ともに日本のゴルフ界の「顔」となったことを意味する。これまでの記録は、尾崎将司選手が1973年に達成した26歳だった。それを大幅に更新した。世界の主要ツアーの中でも最年少の記録である。

 石川選手は今季、4勝を挙げ、獲得賞金は計1億8352万円に達した。1ラウンド当たりのバーディー獲得数などでもトップの成績を残した。

 「ハニカミ王子」というニックネームが、もはや似つかわしくないほど、プロとしてのたくましさも感じられるようになった。

 感心するのは、インタビューなどで実にきちんとした受け答えをすることだ。賞金王確定後にも「ゴルフというスポーツが存在していることに感謝したい」と語った。気持ちを素直に表現する姿が好感度を高めているのだろう。

 最終戦だった日本シリーズJTカップは、4日間で約3万3000人のギャラリーを集めた。従来は1万人台前半だったが、石川選手が出場するようになった一昨年から大幅増が続いている。

 会場には女性の姿が目立った。石川選手の登場は、トーナメント会場に足を運ぶファンの層を確実に広げた。

 ゴルフは、他の競技以上にマナーが重んじられるスポーツだ。ペナルティーも基本的に自己申告によって科せられ、選手には何よりフェアプレーが求められる。

 一流選手に対しては、ファンの目も厳しい。米国では、タイガー・ウッズ選手の私生活のスキャンダルが話題になっている。模範的ゴルファーというイメージが損なわれたからだろう。

 石川選手は今後も自らを律し、海外の主要大会制覇など、より高いレベルを目指してほしい。

 ゴルフは2016年のリオデジャネイロ五輪で正式種目になる。石川選手のほか、賞金王を最後まで争った23歳の池田勇太選手、さらに女子プロでも若手の成長が著しい。心強い限りだ。

 石川選手にあこがれるジュニアゴルファーが増えれば、ゴルフ界全体の底上げにもつながる。

 スポンサーの撤退などで、スポーツ界を取り巻く状況は厳しい。その中で、男子ゴルフの盛り上がりは、実力と人気を兼ね備えた選手の育成がいかに大切か、ということを教えてくれている。

2009年12月8日01時46分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
現在位置は
です