HTTP/1.1 200 OK Date: Sun, 06 Dec 2009 21:16:16 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:普天間問題 説明責任は首相自身に:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

普天間問題 説明責任は首相自身に

2009年12月5日

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題の決着は越年の見通しとなった。鳩山由紀夫首相は、この問題をどう解決しようとしているのか。展望や調整の過程を積極的に国民に説明すべきだ。

 首相は十一月の日米首脳会談で、移設問題について「ハイレベルの作業部会を設置し、できるだけ早い時期に解決する」と表明。オバマ大統領も「作業を迅速に完了することを希望している」と、早期決着への期待感を示していた。

 移設問題の決着が越年する見通しになったのは、米軍キャンプ・シュワブ(沖縄県名護市辺野古)沿岸部に移設する日米合意通りに決着した場合、社民党の福島瑞穂党首が連立離脱も辞さない考えを表明し、鳩山内閣としても配慮せざるを得なかったためだ。

 首相は、岡田克也外相、北沢俊美防衛相に辺野古以外の新しい移設先を検討するよう指示した。

 在日米軍基地の75%が集中する沖縄県民の負担軽減のため、鳩山首相は衆院選で「最低でも県外」と、県外・国外移設の検討を表明しており、社民党に言われるまでもなく、あらゆる選択肢を探るのは当然のことだ。

 旧政権の十三年間で実現できなかった移設問題の解決を、発足三カ月足らずの鳩山内閣に迫るのは酷だが、首相が認めるように時間がたてば解決はより難しくなる。

 来年一月の名護市長選では辺野古への移設の是非が最大の争点になる。民主党県連などが推薦する反対派が勝利すれば、これまで辺野古移設を条件付きで容認してきた沖縄県の仲井真弘多知事も、施設建設に必要な公有水面埋め立てを許可することは難しくなる。来年秋には沖縄県知事選も控える。

 首相は「辺野古は生きている」と述べたが、年内決着の先送りで辺野古移設は極めて難しくなったと心得るべきだろう。

 普天間問題は、県外移設を期待する沖縄県民の思い、日米合意の履行を求める米政府の意向、民主党公約との整合性が絡み合う。

 国民は「対等な日米同盟」を掲げる首相が、この連立方程式の解をどう見つけるか注視している。首相がどのような展望を持ち、日米間や日本政府内の調整状況が現在どうなっているのか、国民に明確に説明すべきだ。

 それを怠り、単に決着を先送りしただけでは、場当たり的な対応を続ける、リーダーシップなき指導者という印象を持たれても仕方がないのではないか。

 

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