HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Fri, 04 Dec 2009 02:17:20 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:いわゆるアルビノだろう。今のタイ辺りでは昔、先天的に色素が…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2009年12月4日

 いわゆるアルビノだろう。今のタイ辺りでは昔、先天的に色素が欠乏した白子のゾウが神聖視されたのだという▼やけに遠回しなやり方だが、王様は嫌いな家臣がいると、この白いゾウを贈ったらしい。ただでさえあの巨体。飼育には大変な金がかかる。しかも御下賜の神聖なゾウでは徒(あだ)や疎(おろそ)かにできない。それで結局、家臣は破産…という寸法▼手元の辞書によれば、この話から、英語でホワイト・エレファント(白いゾウ)といえば、持て余しもの、効果に比べて出費がかさみ過ぎるものといった意になる。「コンクリートから人へ」を掲げる現政権が最も「白いゾウ」視しているものといえば、ダムになろうか▼国交相は四十八のダムについて本年度は工事を新段階に進ませず、うち五事業は「凍結」すると宣言。事業経緯や地元意向の無視だと反発もあり、きのう初会合があった有識者会議で今後「仕分け」が進む▼ゾウにも似て、あの“巨体”だ。建設に要す額も額だが、その後ももの入り。本紙によれば、四十八のうち調査・建設中の四十五ダムの維持管理費の合計は年二百五十億円にも上る見通しで、既存ダムも合わせると一千億円を超えそうという▼無論、この“飼育”費用を出すのも国民だ。事業の可否判断では、それも十分勘案してもらわないと困る。とにかく、あの気の毒な家臣の役回りは御免である。

 

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