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11月30日付 よみうり寸評

 〈(いま)だ木鶏たりえず〉――無敵の横綱双葉山が残した言葉。昭和14年春場所、連勝が69で止まった敗戦の後に打った電文といわれる◆鍛え抜いた闘鶏は木彫りの鶏のように何ごとにも動じない。敵はその姿を見ただけで逃げて行く。双葉山は、その中国の故事にある木鶏のような強さが理想で、自らの敗戦をまだその境地に達していないとしたものだ◆それから70年を隔てた今年納めの九州場所を横綱白鵬が全勝で制覇した。12回目の優勝は双葉山に並ぶ。白鵬にはこれが一つの念願だったという◆年6場所制の今と、年に2場所の双葉山の時代では優勝回数の単純比較はできない。回数なら大鵬32回、千代の富士31回がある◆が、白鵬が12回を目指したのは双葉山の強さ、風格が理想だからだ。「あんなに姿のいい力士は見たことがない」といわれた先達の姿をさらに追い求めてほしい◆白鵬は今年86勝で年間最多勝も更新した。が、双葉の金字塔69連勝、全勝優勝8回(白鵬は4回)など追うべき先達の数字はなお高い壁だ。

2009年11月30日16時38分  読売新聞)
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