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CO2削減 米中の目標公表で弾みつくか(11月29日付・読売社説)

 温室効果ガスの2大排出国である米国と中国が削減の中期目標を公表した。京都議定書に代わる公平な枠組み作りの弾みとしたい。

 米国の目標は、温室効果ガスの排出量を2020年までに05年比で17%削減するというものだ。さらに、25年に30%、30年に42%、50年に83%と段階を踏んで減らす内容である。

 「05年比17%減」は、1990年比に換算すると数%の削減に過ぎない。90年比で一気に25%削減しようという鳩山政権の目標との違いが際立っている。

 経済の立て直しが最優先課題である米国にとって、現実的な色合いが濃い削減目標といえよう。

 米国を抜き最大の排出国となった中国の場合は、国内総生産(GDP)当たりの二酸化炭素(CO2)排出量を20年までに05年比で40〜45%削減する。

 日本や米国のように、排出総量の削減目標ではなく、一定単位のGDPを生み出す際のCO2排出量を削減するという考え方だ。GDPが増えれば、CO2の総排出量も増加する可能性が高い。

 経済成長を損ねず、その一方で、排出削減に取り組む姿勢をアピールする狙いがあるのだろう。中国は「国情に基づく自主的な行動」とも強調している。国際的に削減義務を負うことに対する警戒心がうかがえる。

 12月7日から気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)が開催される。13年以降の国際的な削減ルールとなる「ポスト京都議定書」について討議するに当たり、米国と中国が中期目標を示したのは、一歩前進には違いない。

 だが、先進国と途上国の主張の隔たりは、依然として大きいのが現実である。早くも、新たな議定書の採択は絶望視されている。来年の議定書採択につながる踏み込んだ政治合意にこぎ着けられるかどうかが焦点といえる。

 米国と中国の動向は、その成否のカギを握るだろう。

 懸念されるのは、途上国の間に京都議定書の延長論が浮上していることだ。米国が離脱し、中国も途上国として削減義務を負っていない京都議定書は、世界の排出量を減らす実効性を欠いている。

 鳩山首相は、国内の合意がないまま、「25%削減」を国際公約に掲げた。一方で、目標を目指す条件として、ポスト京都への「すべての主要国の参加」を挙げた。

 日本にとって大切なのは、COP15で、この条件をあくまで堅持することである。

2009年11月29日01時13分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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