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11月28日付 よみうり寸評

 「追われる者、というより逃げ回る者の不安は、容易に消え去るものではない」。古美術窃盗団の一人として警察庁の国際手配第1号となった男の逃亡記「逃亡者の(おきて)」(文芸春秋)の中に、こんな一節がある◆男は絵で生計を立て、ギリシャなど海外を13年間も逃げ続けた。だが、独り暮らしになった母親を思い、自ら出頭した◆投資名目で巨額の金をだまし取っていた「近未来通信」(破産)の元専務らが、警視庁に詐欺容疑で逮捕された。中心人物だった社長は、疑惑が発覚した3年前に出国した後、行方不明だ◆最初に疑惑を報じた読売新聞に抗議文を送りつけてきたが、同社が強制捜査を受ける前に姿を消していた◆逃亡劇と言えば、千葉県警に今月、死体遺棄容疑で逮捕された市橋達也容疑者のケースが、記憶に新しい。整形手術を受けて、2年半余り逃げていた◆簡単に逃げ切れないことは過去の多くの例が示している。海外なら望郷の念が募ることもあろう。潔く出頭したほうが、ずっと楽になるはずだが……。

2009年11月28日14時03分  読売新聞)
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