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天声人語

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2009年11月28日(土)付

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 きょう誕生日を祝う有名人の中で、最も「旬」なのは参院議員の蓮舫(れんほう)さんだろう。彼女を時の人にして、行政刷新会議の事業仕分けが終わった。鋭い舌鋒(ぜっぽう)で注目されたその人を、傍聴席から見た。華奢(きゃしゃ)だが、威風あたりを払う存在感だった▼42歳になる蓮舫さんは、子どもや食の安全に重きを置いた「ママフェスト」を掲げる。「母として起(た)つ」と。資料と格闘して深夜に帰っても、早起きして双子に弁当を作る日がある。母とは強く、ありがたいものである。そして、母子のきずなは永遠だ▼鳩山首相の政治資金に、実母から大金が流れ込んでいた疑いが浮上した。例の偽装献金に充てられたらしい。「原資は自分の金」と語ってきた首相は、国民に改めて説明するしかない▼首相のお母さんといえば、ブリヂストン創業者の長女で、鳩山家に巨富をもたらしたことで知られる。勝負時の長子を支えたい心情は分かるが、相手は公人中の公人。親子でどんぶり勘定では洒落(しゃれ)にもならない▼「私の知らないところで何が行われていたのか、驚いている」と話す息子が情けない。聞けばすむ話である。「こっちが驚いているわけで、本人が驚くのはおかしい」。その通り。麻生太郎さんの言に珍しくうなずいた▼民主党も困りものだ。鮮烈と曖昧(あいまい)、攻と守、透明と混濁。蓮舫さんが好む服装のように、白と黒の地が党内でせめぎ合い、新政権を評価しようにも一刀両断といかない。どう転がるにせよ、ここは日本の政治の分岐点となろう。もだえつつ、「白がんばれ」とつぶやいている。

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