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11月25日付 よみうり寸評

 赤い夕陽(ゆうひ)が校舎をそめて……ああ高校三年生 ぼくら……。きのう亡くなった丘灯至夫さん作詞の〈高校三年生〉は1963年に日本レコード大賞作詩賞に輝いた◆歌った舟木一夫は同新人賞を得たが、作曲の遠藤実は作曲賞を逃して悔しがった。当時まだ広告代理店の社員だった阿久悠が後に面白い感想を書いている◆「この歌を初めて聞いた時、なぜか、これは北国の高校の歌に違いないと思った。僕は西の方の高校の出身。そのせいかどこか風景が違って思える」◆詩人の鋭い直感なのか。作詞の丘は福島県出身、作曲の遠藤は疎開先が新潟だ。その出自が歌詞にも曲にも、におうのだろうか◆ただし、丘さんにこの歌詞を書かせた現場は東京・世田谷の松蔭学園高校。校庭の男女高校生のフォークダンスを見て歌が生まれた。この歌の大ヒットから46年◆丘灯至夫92歳で逝く。舟木一夫が学生服でデビューした昭和は遠くなった。が、〈高校三年生〉は不思議な歌。口ずさめば、だれでも赤い夕陽のその日に戻れる。

2009年11月25日14時02分  読売新聞)
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