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11月24日付 編集手帳

 先週の国会風景を報じる記事を読み返し、夏目漱石「こころ」の一節を思い浮かべている。〈かつてはその人の(ひざ)の前に(ひざまず)いたという記憶が、今度はその人の頭の上に足を載せさせようとするのです〉◆金融機関に借金の返済猶予を促す法案を、与党は野党の同意なしに衆院本会議で採決に踏み切った。かつて「数の横暴」と自公政権をなじった民主党が、なじられる側に回っている。なじる側に転じた自公両党はすべての法案審議を拒否するという◆配役を入れ替えた復讐(ふくしゅう)劇を見ているような錯覚をおぼえる。政権交代とは、相手の頭の上に代わりばんこに足を載せ、足を載せられた側は審議拒否という名の“ふて寝”をする、そういうゲームではなかったはずである◆自分たちでわざわざ短い国会会期を設定しておいて、時間がないから採決を急ぐという与党の理屈は、数の「(おご)り」と批判されていいが、審議拒否でほかの重要法案まで巻き添えにする野党の「不見識」も嘆かわしい◆与党は人の頭に足を載せるなかれ。野党はふて寝するなかれ。「傲り」と「不見識」では、いずれにも軍配の上げようがない。

2009年11月24日01時13分  読売新聞)
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