HTTP/1.1 200 OK Date: Mon, 23 Nov 2009 22:17:28 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:「茶坊主」という言葉からは「虎の威を借る狐(きつね)」のよ…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2009年11月23日

 「茶坊主」という言葉からは「虎の威を借る狐(きつね)」のような人物を想像させられ、あまりいい印象はないが、実像は違っていたようだ。江戸城にいた御家人の集団であり、大名や旗本を相手に、湯茶の接待だけでなく大名同士のもめ事の調停などにも出番があったという(『いい茶坊主 悪い茶坊主』立石優)▼幼少時から厳しく礼儀作法をしつけられ、茶の湯、生け花などの修練を積む。教養豊かで大名の相談相手が務まる器量があったというからイメージは覆された▼歴史を知ると、小沢一郎幹事長の顔色をうかがい、衆院の国会運営を迷走させた民主党の国対関係者の皆さんを「茶坊主」と呼ぶのは本家に申し訳ない気がしてくる▼二十日未明の衆院本会議で、与党三党は中小企業金融円滑化法案の採決を強行した。政権交代後の初の法案採決なのに、攻守を変えて古い国会を見せられたようでがっかりした▼会期延長論を戒める小沢氏の意向を忖度(そんたく)した山岡賢次国会対策委員長らが強硬路線を走った結果といわれるが、批判が強まると、小沢氏の「鶴の一声」で国会運営は融和路線に戻った。「口下手」と自他ともに認める小沢氏の一言への過剰な反応が、迷走の背景にあるようだ▼優れた茶坊主は情報収集力や調整力にたけていたという。山岡氏らは小沢氏の心中を察する前に、まず国民の反応を推し量ってほしい。

 

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