HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 58770 Content-Type: text/html ETag: "391b1c-1641-f4eda680" Expires: Sun, 22 Nov 2009 03:21:09 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 22 Nov 2009 03:21:09 GMT Connection: close 野球プロアマ戦 垣根を越えて活発な交流を : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



現在位置は
です

本文です

野球プロアマ戦 垣根を越えて活発な交流を(11月22日付・読売社説)

 マウンドには早稲田大の斎藤佑樹投手、打席に立つのは巨人の坂本勇人選手――。このような対決を心待ちにしている人も多いのではないか。

 プロ野球の26歳以下の若手選抜と大学日本代表の交流試合がきょう22日、東京ドームで行われる。セ・パ両リーグ誕生60周年を記念した史上初の一戦だ。

 大学生にとっては、プロのプレーに(じか)に接することができる貴重な機会となるだろう。ぜひともレベルアップにつなげてほしい。

 プロ選手としては、プライドにかけて負けられない一戦だ。「これぞ、プロ野球」というプレーでファンを楽しませてほしい。

 スポーツに限らず、どのような分野でも、技量に優れた人から教わるのが上達の近道だ。

 だが、プロを頂点とする野球の世界では、この当たり前のことができなかった。プロとアマチュア球界、特に、大学野球、高校野球との断絶が長らく続いてきたためだ。プロ・アマ間には「鉄のカーテン」があるとも言われた。

 この不自然な状態を招いたのが、終戦後、間もなくに制定された日本学生野球憲章だ。

 憲章は、大学生、高校生がプロ選手と試合をしたり、コーチを受けたりすることを原則的に禁じている。アマチュア野球の商業化を防ぐことなどが理由とされる。

 このため、プロ選手は、母校で自主トレーニングをする際には、接触を避けるため、後輩たちがグラウンドにいない時間帯を見計らって出向くなどしていた。

 さすがに最近は、後輩とのキャッチボール程度なら認められるようになった。プロ・アマ双方から交流解禁を求める声が高まったためだ。高校球児を対象としたプロ選手のシンポジウムも好評だ。

 今回の交流試合は、こうしたプロ・アマ間の雪解けを象徴するものといえるだろう。

 大学野球、高校野球を統括する日本学生野球協会は現在、憲章の見直し作業を進めている。プロ選手との試合や練習を認める内容となる見通しだ。この流れを止めてはならない。

 慶応大の監督に、OBで元プロの江藤省三氏の就任が決まった。指導者の交流も、より活発化させていきたい。

 裏金問題など、プロ側の行き過ぎた勧誘が、アマ側に不信感を与えたことも事実だ。プロ側は、改めて襟を正す必要がある。

 プロ・アマ双方がルールに(のっと)って交流を深めていく。それが球界全体の底上げにつながる。

2009年11月22日00時07分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
現在位置は
です