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社説2 これでは国会改革が泣く(11/22)

 国会活性化を掲げながら審議の空洞化を自ら招いている現状は何とも理解に苦しむ。

 与党3党は20日未明の衆院本会議で、自民、公明両党が欠席したまま中小企業金融円滑化法案の採決を強行した。財務金融委員会の実質審議入りから2日目、抜き打ち的な委員会採決に続いてそのまま衆院通過を目指すという異例の対応だった。

 同法案は中小・零細企業の借入金や個人の住宅ローンなどの返済猶予の申し出があった場合に、金融機関ができる限り柔軟に応じるよう努力義務を課した。2011年3月までの時限立法とし、政府・与党は年末の資金繰りをにらんで早期成立の必要性を訴えてきた。

 ただ不況下で経営環境が厳しいとはいえ、民間同士の個別の取引に行政がどこまで口をはさむべきかといった議論はまだ十分に尽くされていない。与党が数の力を背景に審議を打ち切ったのは、拙速とのそしりを免れない。

 民主党は20日、新型インフルエンザ対策法案など他の4法案も各委員会で採決を強行した。一時はすべての政府提出法案を同日中に衆院通過させる構えだったが、結局、本会議での採決は26日をメドに先送りした。国会の正常化に向けて最大限の努力を払うのは当然だろう。

 政府・与党では11月30日までの今国会の会期をにらみ、法案審議を急ぐ空気が強まっている。しかし各法案の審議は大きく遅れており、郵政株式売却凍結法案など鳩山政権の基本路線が問われる法案も残っている。審議時間を確保するため必要なら会期延長を避けるべきではない。

 鳩山由紀夫首相の初めての党首討論はいまだに日程が決まらない。自民党は「首相や小沢一郎幹事長は自らの政治資金問題を追及されないよう国会を早く終えたがっている」と批判している。こうした指摘が的はずれだと言うのなら、国会の場できちんと反論するのが筋である。

 民主党は小沢幹事長を中心に、国会改革論議を加速させている。会期を区切らない「通年国会」や「政治家同士の討論」を重視した審議の活性化を主張している。であれば、なおさら新たな考え方に沿った国会運営に近づける努力が求められる。

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