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11月20日付 編集手帳

 自分の言葉にウソ偽りがないことを神仏に誓う文書を「()請文(しょうもん)」という。江戸の昔は男女が変わらぬ愛情を誓って取り交わした。熊野神社で出す厄よけの護符を用いるのが本式とされ、用紙にはカラスの絵が描かれていたという◆なかには、偽りの誓いを立てる者もいただろう。〈いやで起請を書くときは熊野で(からす)が三羽死ぬ〉という俗謡も伝わっている。カラスこそいい迷惑である◆先の日米首脳会談で「普天間」問題をめぐり、鳩山首相がオバマ大統領に語った言葉「トラスト・ミー」(私を信じて)が憶測を呼んでいる◆「悪いようにはしませんよ」と、言外に響く。日米合意に基づく現行移設計画を容認する起請文と、大統領は受け止めたかも知れない。起請文であるならば、なぜ、現行計画以外の選択もあるかのような国内向けの発言で沖縄の人々を惑わせるのか。起請文でないならば、なぜ、米側がヌカ喜びする思わせぶりな発言をしたか。不可解である◆きのう、列島は真冬を思わせるほどに冷え込んだ。〈雪曇身の上を()(からす)かな 内藤丈草〉。身の上を嘆いているのが熊野のカラスでなければいい。

2009年11月20日01時33分  読売新聞)
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