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天声人語

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2009年11月17日(火)付

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 本紙の世論調査で鳩山内閣の支持率が62%になった。発足時の71%から、2カ月で首相の年齢まで下りてきた。このままどんどん「若返る」かどうかはさておき、新政権の滑り出しを振り返る頃合いだ▼旧政権は青少年のような支持率に泣いた。飛行機に例えれば、荒野に不時着したり、低空で粘った末に政権交代の空港に降りたり、ふらふらと重力まかせの感があった。新政権の支持率は、同じ低下でも緊張をはらむ。下降気流と上昇気流の間でもまれ、きしみながら高度を下げる機体を思う▼下向きの風は尽きない。献金疑惑、冷めた日米同盟、天下り、官房機密費をめぐる沈黙。しかもそれらを釈明するのは、言葉遣いはていねいだが危なっかしい「鳩山語」だ▼一方に、結構な勢いで支える風がある。行政の無駄を排し、官僚頼みを脱する試みにおいて、新政権は鮮烈な印象を残してきた。62%はそこへの支持としか考えられない。開かれた政治に期待をつなぐ、いわば我慢の風である▼それだけに、党首討論を渋るような姿勢は百害に値する。勝手に短い会期にしておいて、「国会日程がきつい」はなかろう。説明責任に耐えかね、あしき「前例」や霞が関にすがるようでは、上向きの風はたちまちなえる▼いい意味で素人流を望まれながら、清新さより未熟さが目につく新政権である。公約実現のやり繰りは厳しく、負の遺産もあろう。しかし、首相の言動を筆頭に、議席に見合う安定感がないのは困る。再び裏切られたら日本の政治は救われない。早くも正念場である。

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