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11月16日付 編集手帳

 文化勲章を今年受章した慶応大名誉教授の速水融さんは、日本の歴史人口学の礎を築いた碩学(せきがく)だ。江戸時代の戸籍台帳にあたる宗門改帳を分析し、当時の人口変動の実態を明らかにした◆農村人口は増えていたが、大都市は公衆衛生の状態が悪いために死亡率が高く「アリ地獄」のように人を集めては殺していった。大都市が未発達の西南諸藩で人口増の圧力が高まり、明治維新につながったとも説明する◆気候変動、医療や科学技術の進歩、人々の価値観の変化など、様々な要因が複雑に絡んで人口変動の波動は作られていく。それは人知を超えた動きなのだろう◆2024年の総人口は1億4000万人を超えて飽和状態に達する――。有識者らによる日本人口会議がこう警告したのは、1974年のことだった◆現在は1億2700万人で既に人口減少の局面に入っている。国立社会保障・人口問題研究所の最近の推計によると、2100年には明治末期と同じ4800万人にまで激減するという。だが、遠い将来の数字には悲観せず、知恵を出し合いながら少子化社会への確実な備えを考えていくべきだろう。

2009年11月16日01時10分  読売新聞)
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