
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 59125 Content-Type: text/html ETag: "15efb5-165d-54bc74c0" Expires: Sun, 15 Nov 2009 01:21:08 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 15 Nov 2009 01:21:08 GMT Connection: close
![]() 光市母子殺害 元少年の実名掲載は疑問だ(11月15日付・読売社説)少年時代の事件で、まだ公判中の被告の実名を出す必要があったのか、甚だ疑問だ。 山口県光市の母子殺害事件で、殺人罪などに問われた元少年の実名や中学時代の写真などを載せた本が出版・販売された。元少年はその事前差し止めを著者らに求める仮処分を申請したが、広島地裁は却下した。 地裁決定は、「表現の自由」を尊重して差し止めに厳格な要件を設けた判例の延長線上にある。 少年法では、起訴された少年の氏名、 今回、差し止めは認めなかったが、少年法に反する行為を容認したわけではない。書名に元少年の実名を入れ、表紙に大きく印刷した点などを挙げて、「実名をセンセーショナルに使用しているとの感を 表現の自由には、重い責任が伴う。自律的、抑制的な姿勢があってこそ、読者の信頼は得られる。決定は、それを改めて示したと受け止めるべきだろう。 元少年は、広島高裁での差し戻し控訴審で死刑判決を受けた。犯行時に少年でも死刑判決が確定すれば、この事件に限らず、究極の公権力行使である死刑の対象者が誰なのかということを、社会に知らせる必要はあろう。 だが、元少年は殺意などを否認しており、現在は上告中だ。 実名や写真を出すことで元少年の実像を描くのが、著者の狙いという。しかし、本の内容は主に元少年との面会や手紙でのやり取りで、少年法に触れても実名を出す必然性があったとは思えない。 決定では元少年が実名掲載に同意していたと認定された。だが、これは本質的な問題ではない。 事件や事故の報道は実名が原則だ。誰が容疑者や被告で、誰が被害者なのかは、最も基本的な情報で、記録性の点からも不可欠である。相手の承諾がなくとも、報じなければならないことはある。 ただ、少年事件では、少年法の趣旨を尊重し、例外的に容疑者や被告を匿名にしている。有罪でも死刑以外ならいずれ社会に復帰する。それを容易にするためだ。 出版や報道に携わる者が常に人権に配慮するのは当然だ。銃を持って逃走中だったり、死亡や死刑確定により更生保護の意味が失われたりした場合は別だが、安易な実名掲載は避けねばならない。 元少年は仮処分申請とは別に賠償などを求める訴訟も起こしており、その判断が注目されよう。 (2009年11月15日00時21分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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