HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 57736 Content-Type: text/html ETag: "f5072-1339-32a4ed80" Expires: Sat, 14 Nov 2009 20:21:14 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 14 Nov 2009 20:21:14 GMT Connection: close 11月15日付 編集手帳 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



現在位置は
です

本文です

11月15日付 編集手帳

 おそらく7歳と5歳の姉弟(きょうだい)だろう。社殿を背景に親が構えるカメラに向かい、並んでポーズを取っている。小さな弟が爪先(つまさき)立ちをして、懸命にお姉ちゃんの身長に追いつこうとしているのが可笑(おか)しい◆近所の八幡様で見た光景である。今年の本番15日は日曜とあって、境内は着飾った親子で一杯になるに違いない。背伸びなどせずとも見る見るうちに大きくなるよ、あわてずに可愛(かわい)いままでいておくれ…と複雑な心境で親はシャッターを押すのだろう◆3歳の「髪置(かみおき)」、5歳の「袴着(はかまぎ)」、7歳の「帯解(おびとき)」と呼ばれる成長の祝いが七五三の起源の一つとされている。傍目(はため)からも明るく育つ子供たちを眺める気分はいいものだ。〈行きずりのよそのよき子の七五三 富安風生〉◆一方で、晴れ着をまとってこの時を祝える家族の比率はどれくらいか、とも考えてしまう。東京など大都市圏を中心に保育所が不足し、髪を振り乱して子育てと格闘する親も増えている◆七五三どころではない、という家庭の方がむしろ多いのかも知れない。境内にあふれる歓声の主が、若い親とその子たちの典型であるなら良いのだけれど。

2009年11月15日01時23分  読売新聞)
現在位置は
です