HTTP/1.1 200 OK Date: Fri, 13 Nov 2009 20:16:42 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:税の無駄遣い 刷新会議と連携強めよ:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

税の無駄遣い 刷新会議と連携強めよ

2009年11月13日

 会計検査院が発表した二〇〇八年度の決算検査報告は国・地方の不正経理や無駄遣いを満載している。違反職員への厳罰化とともに、行政刷新会議と連携を強めて無駄の排除に取り組むべきだ。

 これも政権交代の効果だろう。今年の検査院報告は昨年以上に力が入っている。巨額な“霞が関埋蔵金”の存在を浮き彫りにしたほか、地方自治体や独立行政法人、公益法人などの隠し金やカラ出張、派手な宴会費などの不正経理を暴いた。

 経済産業省の中小企業金融安定化特別基金や農林水産省・林野庁の七事業の基金、日本貿易振興機構(ジェトロ)の余剰資金など、全体で約一千億円を有効活用されていない資金と指摘した。

 地方自治体の不正経理は前回に続き今回も多かった。千葉県や石川県など二十六府県と十五市を調査したところ、新たに三十億円を超える不正が発覚した。

 虚偽の請求書を提出させるなど架空取引で業者に代金をプールする「預け」や、契約した物品とは異なる物を納入させる「差し替え」など手口は多様化している。

 その結果、不適切な経理処理は七百十七件、金額は〇七年度の倍の二千三百六十四億五千万円と過去最高だった。このうち法令違反となる不当事項は五百九十三件、百二十三億三千万円もあった。

 検査院にとって屈辱的なのが「未済」の存在だ。前回の検査で当該省庁に是正措置を求めたものの今回も四百八十一件、百三十一億円残った。会計検査が軽視されていることを物語る。

 だが、国民にとって腹立たしいのは不正が一向に改善されないことだ。今回の指摘金額が最高だったと言ってもそれは氷山の一角である。現在の検査員は約九百五十人。米国並みに三千人を超える態勢で検査すれば、もっと驚く実態が明らかになろう。

 この際、会計検査院法を改正して「裏金づくり」を行った職員への罰則規定を設けることが重要だ。また無駄遣いの是正状況の報告を各省庁に義務付ける。これらは前政権でも検討されたが鳩山内閣は早急に法案化すべきだ。

 来年度予算編成で行政刷新会議の事業仕分け作業がスタートした。同会議の「無駄排除」と検査院の「無駄遣い撲滅」は予算と決算との違いはあるが認識は共通だ。検査院は積極的に人材と情報を提供する。そして政府は無駄な事業の廃止・縮小に全力を挙げて取り組んでもらいたい。

 

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