HTTP/1.0 200 OK Server: Apache/2 Content-Length: 17510 Content-Type: text/html ETag: "134a65-4466-42a956c0" Cache-Control: max-age=5 Expires: Thu, 12 Nov 2009 23:21:11 GMT Date: Thu, 12 Nov 2009 23:21:06 GMT Connection: close
アサヒ・コム プレミアムなら過去の朝日新聞天声人語が最大3か月分ご覧になれます。(詳しくはこちら)
「絵」を見せられて変化を実感したし、それが狙いでもあったろう。来年度予算の事業仕分けである。議員と民間の仕分け人が、省庁の要求を削りまくる様が公開された。法廷さながらの真剣勝負で、初日から廃止の「判決」が相次いだ▼これじゃ公開処刑と役人はぼやくが、あけすけの攻防は建前談議よりずっと面白い。国会審議にも同じ感慨を抱いた。答弁の虎の巻なし、官僚の助け舟なし。政治家同士の論戦は時に、足を止めて打ち合うボクシングを思わせた▼場外乱闘も熱い。町村元官房長官が民主党の新人軍団を追い出そうとすると、亀井金融担当相が「町村あたりになんの権限があるんだ」と毒づいた。町村氏も「亀井退席だ。退席しろお前!」と負けていない。ちなみに亀井氏が8歳上、東大経済学部の先輩でもある▼民主党はいまだに与党が板につかない。夏まで政府を攻め続けた長妻厚労相は、質問に立った前任者を再三「舛添大臣」と呼んだ。鳩山首相も厚労相を「長妻委員」とやった▼野党ボケの病は守りに弱い。沖縄、予算、天下り、献金、日航、連立、小沢さん……。与党が抱えた爆弾は粒ぞろいで、野党のひと押しで火を噴きかねない状況だ。世論の優しさ、さていつまでもつか▼内政のせわしさにはお構いなく、オバマ米大統領がやって来る。あちらも課題山積、人気にも影がさす。アジア歴訪の主眼は中国らしいから、心ここにあらずとなりはしないか。「チェンジ」の重さがこたえる者同士、せめて友情を固め、後々の「総合保険」としてほしい。