HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Tue, 10 Nov 2009 21:17:31 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:普天間移設 沖縄の声届いているか:社説・コラム(TOKYO Web)
東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社説・コラム > 社説一覧 > 記事

ここから本文

【社説】

普天間移設 沖縄の声届いているか

2009年11月10日

 十三日のオバマ米大統領来日を前に、米軍普天間飛行場の沖縄県内移設に反対する県民大会が開かれた。鳩山内閣の閣僚からは県内移設を前提とした発言が相次ぐ。県民の声は届いているのか。

 住宅密集地に隣接し、世界で最も危険といわれる普天間飛行場(宜野湾市)の移設について、鳩山由紀夫首相は衆院選期間中「一番よいのは海外移転。最低でも県外移設が期待される」と繰り返し表明し、米軍キャンプ・シュワブ(名護市)沿岸部に移設する現行の日米合意見直しに言及した。

 県外・国外移設検討を掲げる民主党が政権に就き、沖縄県内の四小選挙区すべてで県内移設反対の候補が当選すれば、県民の間に「最低でも県外移設」への期待が高まるのは当然だ。

 にもかかわらず、県内移設反対の大会が開かれたのは、閣僚から有権者との約束を反故(ほご)にしようとする発言が相次ぎ、声を上げる必要に迫られたからだ。

 北沢俊美防衛相は「グアムに海兵隊、(山口県の)岩国に給油機を移す。選挙公約を全く満たしていないと認識するのは少し間違いだ」と言い、岡田克也外相は米空軍嘉手納基地(嘉手納町など)に統合する県内移設の検討を表明し「政権公約と選挙中の発言はイコールではない」と述べた。

 選挙期間中の発言は紛れもなく「公約」であり、それが違うというなら、有権者は何を信じて投票すればいいのか。

 沖縄には在日米軍基地の75%が集まる。米軍関係車両の関与が疑われている読谷村でのひき逃げ事件を例に挙げるまでもなく、沖縄は過重な負担に耐えてきた。

 鳩山首相が「政権を取った直後に解決するという問題ではない」と言うように、この問題の解決が容易ではないことは理解する。

 合意履行を求める米政府には、結論先送りを表明した鳩山首相への不満が募っているというが、首相は熟慮の上で結論を出してほしい。早々に「白旗」を揚げてしまえば、県民の鳩山政権への期待は即座に不信感に変わる。

 首相は十三日の日米首脳会談で普天間問題の着地点を探るためにも、胸襟を開いて話し合ってもらいたい。その中で沖縄県民の思いも率直に伝えたらどうか。

 来年は日米安全保障条約改定五十年に当たる。日米同盟を中長期的な視野から再構築すべきで、その中で沖縄県民の基地負担のあり方も、考えるときにきている。

 

この記事を印刷する