
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 59103 Content-Type: text/html ETag: "39632f-15cd-87dc5f00" Expires: Mon, 09 Nov 2009 21:21:10 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 09 Nov 2009 21:21:10 GMT Connection: close
![]() トヨタF1撤退 エコが促した苦渋の決断(11月10日付・読売社説)速さがクルマの性能を決める時代が節目を迎えたということだろう。 トヨタ自動車が業績悪化を理由に、今年限りで自動車レースの最高峰、フォーミュラ・ワン(F1)から撤退すると発表した。 トヨタは2002年に参戦してから8年で140レースを戦ったが、一度も優勝できなかった。結果を出せないまま手を引くのは、苦渋の決断だったろう。 F1に投入してきた資金や人材は、エコカー開発などに振り向ける。培った技術を今後は市販車の性能向上に生かしてほしい。 F1を戦うには、1台20億円とされるマシンが何台も必要だ。優勝を狙うには、毎年数百億円もの費用がかかる。 にもかかわらずトヨタが参戦し続けた最大の眼目は、ブランド力の向上にあった。販売台数で世界一だった米ゼネラル・モーターズ(GM)を抜くには、トヨタの技術力を示す必要があった。 人気が高く、世界各地を転戦するF1は、その格好の舞台だった。走る、止まる、曲がるというクルマの基本性能を試し、技術力向上を図る「実験場」でもあった。 だが、消費者の環境志向の高まりで、ガソリンをがぶ飲みするF1は、技術力をPRする場としてはふさわしくなくなっていた。巨額の赤字を計上し、撤退を迫られる前から、トヨタがF1に参戦する意味は薄れていたといえる。 トヨタ以外のメーカーも事情は同じだ。ホンダは今年はじめにF1から撤退し、ブリヂストンも来年いっぱいでタイヤ供給を打ち切る。トヨタの撤退で、F1から日本メーカーは姿を消す。 独BMWの参戦も今年限りで、仏ルノーも撤退を検討中とされる。来年には、F1のサーキットから量産車メーカーがすべて消えてしまう可能性すらある。 自動車産業は、動力源がガソリンから電気にシフトする大変革への対応を迫られている。 カギを握るのは、F1マシンの対極に位置するエコカーや、新興国向けの低価格車だ。トヨタのF1撤退は、自動車産業の戦略転換を象徴する動きともいえる。 三菱自動車がダカール・ラリーから撤退し、富士重工業も世界ラリー選手権への参加をやめるなど、他の自動車レースでも撤退の動きが相次いでいる。 このままでは、モータースポーツは衰退する一方だ。走る魅力、運転の楽しさを伝えるために何をすべきか。自動車業界は真剣に考えなければならない。 (2009年11月10日01時17分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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