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11月10日付 編集手帳

 故・竹下登元首相は「こういう状況だから私は」と言うとき、「こういう状況だから竹下は」と、第三者のように自分の名前を使って話すのを好んだという◆政治学者でコロンビア大学教授のジェラルド・カーティスさんが著書「政治と秋刀魚」(日経BP社)で回想している。教授によればそういう話し方をする人は総じて、自分の置かれた立場を離れて状況を客観的に分析する才能を備えているという◆話し方をまねれば才能が身につくわけでもないが、首相も「私は」の代わりに「鳩山由紀夫は」を使ってみてはどうだろう◆自身の偽装献金疑惑について首相は「私は全容が早く解明されるよう祈念しています」と、ひとごとのように語っている。「鳩山由紀夫の個人資産を鳩山由紀夫の資金管理団体に移し替えた経緯の全容が早く解明されるよう、鳩山由紀夫は祈念しています」、そう答弁したならば、いかに滑稽(こっけい)な言辞を(ろう)しているかがご自身にも分かるだろう◆本紙の最新の世論調査では73%の人が首相の言葉に不満を感じている。総選挙であれほど売り込んだ名前を、ここで出し惜しみすることはない。

2009年11月10日01時06分  読売新聞)
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