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春秋(11/7)

 みじんまく。漢字で身慎莫と書く。最近はあまり見ないが、身じまいと身支度が混じってできた語ともいう。だから普通は身じまい、身支度の意味で使う。きょうは立冬。全国的に秋晴れの予報だが、さあ、寒さに向けた身慎莫である。

▼そんな使い方からの連想だろう。この言葉には「自分のことを自分できちんと処理すること」という意味がある。もう一つ、不思議なことに「金銭などを隠して貯(たくわ)えること」の意味にもなる(日本国語大辞典)。いま、それやこれやの身慎莫が問われている人は、と言えば、まず鳩山首相の名を挙げねばならない。

▼首相は今週、衆参の予算委員会で政治献金の偽装問題への弁明に追われた。鳩山さんの資産を、秘書がそれと分からぬよう首相の資金管理団体に移しかえた。かいつまめばそんな構図だろうか。が、疑問だらけである。自分のお金を腹心が差配した。そこに不正があれば、誰でも首相が説明すべきだと思うだろう。

▼なのに「全容が早く解明されるよう祈念する」とは、ひとごとに過ぎやしないか。首相は「政権交代頑張れという声に応えることも、政治責任の果たし方だ」とも言っている。しかし、自らをただす身慎莫なくして応援の声は強めようがない。それどころか、政権を木枯らしが襲いそうな雲行きにさえ見えてくる。

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